無意識とツレに!?『無意識さんの力で無敵に生きる』(大嶋信頼)

2017年1月4日本の紹介

心理学の本『無意識さんの力で無敵に生きる ―思い込みを捨て、自由自在の人生を手に入れる方法―』(大嶋信頼著、青山ライフ出版)をご紹介します。

この本を読み終えるとボーッっとしてしまい、内容がアタマに入っているのか、そうでないのかビミョー・・・。
毎度、そう思うのに、次の日もまた手にとって読んでしまう。

ある時。
寝る前にこの本を読み、朝目覚めると、ふと(この「ふと」は自分の内面からの情報を含んでいる)「こんな自分でも助かるかも」という、嬉しさのあまり泣きたくなるような気持ちが広がっていました。

そんなふうに、今まで経験したことのない、ちょっと不思議な感覚に浸れるのです、この本。

書店ではちゃんと心理学の棚に置いてある本ですが、内容も文体もユーモラスで一風変わっています。

ギョーカイではよくある、書けない著者のためにライターが代わりに執筆している本でないことは一目(読)瞭然でして。
著者が伝えたい(救いたい)気持ちのエネルギーがこもっているのを感じます。

よく聞く話ですが、多くの人は「意識(顕在意識)を3%しか使っていない」といわれています。
そして残りの97%は自分でも意識できていない…。つまりこれが無意識といわれるもので、意識の下にある層。
意識は限界があり、無意識にはそれがない。

(無意識とは、、、と今、この記事を書いていますが、これは「意識」の仕事ですかね)

この本を読むと、日常生活でおなじみの「意識さん」の下にいる「無意識さん」の力を使って、意識さんが作り出した幻想(思い込みともいう。これは時に人を悪夢の中に閉じこめてしまうことがある)から抜け出し、自由に生きるためのコツがわかるようになるかも。すぐにはわからなくても、なんとなく無意識に近づいている自分を感じられる気持ちになっていくような気がします。

心理関係の本にあるテクニックを紹介する時には「◯◯が~することにより、△△に変容します」などと書きがちですが、このような主観や断言は「意識さん」のお仕事で、これもある意味、思い込み。
なので「自分はそう思っているけど、そうじゃない人もいるかもしれないしねー」というスタンスでいることも大切なんですよね。読後、そんな気づきがありました。

本の中でも思い込みを打ち消すテクニック(おまじない)を紹介されています。

そのテクニックとは、
「人の気持ちはわからない。そして自分の気持ちすらわからない」と唱える

この言葉を唱え続けることで、こころを中庸にさせることができるのかもしれません。

この本には頻繁に「美しい」「美しさ」という言葉が登場します。
それは人の顔や雰囲気の美醜の「美」ではなく、勉学を重ねた人のインテリジェンスが醸す「美」でもなく、人間の内側にそなわった機能が何かに適応したときに感じられるもの(たぶん)。

人間に備わっている機微というものの中に「美しさ」は宿っていて、無意識さんにふれると(あるいはふれていなくても。もともと備わっているから)、現実の現象の中で見つけたり、あるいは目には見えなくても何かのきっかけで感じられると、感動につながるのかな、と。

この本を読み、改めて「美しい」って、感情をあらわす言葉なんだなと思いました。

無意識さんはどうやら美しいものを見せてくれるワザをいろいろと持っているようです。

読むたびにボーッとしてしまうけれど、このボーッは無意識さんにつながるラインのようなものかも。
そしてこの感覚はけっこう、心地よかったりするのです。