ゴーギャンの愛したブルターニュの村、ポン=タヴァン

2016年2月19日ライフスタイル

過日。「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」展を観賞しました。

じっくりと対峙したくなる絵画がたくさん展示され、人の心を別世界につれていってくれる絵のチカラを感じました。

展覧会のタイトルにある「ポン=タヴァン(Pont-Aven)」て、何のことかご存じでしょうか。
私は知りませんでしたが、これはブルターニュ地方にある村の名前です。

フランスの北西部にあるブルターニ地方の村、ポン=タヴァンは画家ゴーギャンのゆかりの地。絵を表現手段とする画家たちのコロニーでした。
彼がこの村を訪れたのは1886年のことでした。

ここでゴーギャンはエミール・ベルナールをはじめとする作家たちと、絵画の新しい表現運動「総合主義」を追求します。
総合主義とは簡単にいえば、現実+想像を1つの作品の中にふうじこめるスタイル。その少し前に起こったモネらの「印象派」とは異なり、複数のイメージを1つに統合する表現を見出していくものでした。

作品に幻想的な世界観が見られるのはポン=タヴァンのあるブルターニュが、伝説や神話を生み出したケルト文化が伝承されている土地柄も影響しているようです。

私がゴーギャンについて知っていたのは「元株式仲買人」「ゴッホとのつながり」「タヒチに暮らし、創作活動していた」という3点のみ。←ほとんど知らないってことだね!
南国タヒチを描いたプリミティヴな作風、、、いわゆる「ザ・ゴーギャン」的な作品とは全く違うポン=タヴァン時代の作品に驚いてしまいました。

さて、この展覧会ではアンリ=ガブリエル=イベルス(Henri-Gabriel Ibels )という作家を知ることができたのも収穫でした。
紺色の修道服をまとった修道女たちを描いた「礼拝行進」という作品ともうひとつ、強風にあおられる傘をさした1人の農婦の作品。

このアンリ=ガブリエル=イベルスという作家はサーカスや劇場などにインスピレーションを受け、広告の分野でも活動していた作家。
ナビ派というゴーギャンに師事したポール・セリュジエの一派に所属していて(創立メンバーだった)、しかし、彼はナビ派の作家たちとはひとあじ違う作品を残していて、その作風はロートレックにも影響を与えているそう。

展示されていたイベルスの作品2点は、ブルターニュにあるブレスト美術館の所蔵品。
いつか他の作品も肉眼で見てみたいものです~。

ところで、ブルターニュの有名なお菓子の1つが塩バターキャラメル。
発酵バター、ゲラントの塩が材料と聞いた時点で「美味しくないわけないじゃん!」とスイーツ好きは小躍りしそ~。

「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち 」展は12月20日まで。
パナソニック汐留ミュージアムにて。リンクはこちら