高齢者と若者の交流に心あたまる映画『はじまりはヒップホップ』

映画の紹介

最初はタイトルからコメディ作品だとばかり思っていたこの映画。
はじまりはヒップホップ

舞台はニュージーランドの小さな島。
ここの公民館でヒップホップダンスに励むのは世界最高齢のダンスグループ(業界では「クルー」という)。
64歳から94歳のメンバーで結成されたクルー「ヒップオペレーション」がラスベガスで開催される世界最大のヒップホップ・ダンスのコンテストに参加する姿を追ったドキュメンタリー作品です。

このヒップオペレーションというチーム名は、メンバーの多くが腰の手術を受けていることから。

このクルーを率いているのは、メンバーからすると孫のようなビリー・ジョーダンという女性。振り付けも担当してます。
高齢のメンバーは踊りながら死ねたら本望というポジティブな精神はもっていても、若者のようにスピーディーに踊ってキメる!なんてことはできません。
スピード感を要する振り付けはカラダがついていかないし、振りを覚えられない人だっている。

ヒップオペレーションのメンバーがダンスを通じて交流するのは孫世代にあたるダンスチーム。
すぐにお互いが家族のような親しみを抱き、この2つのグループが交流するシーンもみどころの1つ。

「年をとっても踊っていたい」

若者にこんな思いを抱かせます。

また、公民館での練習やコンテスト出場するシーンとの合間に、チームの80〜90代の女性メンバーたちがこれまでおくってきた長い人生の話や、ラスベガスへ渡航する際の費用が捻出できなく、どうやってコンテストの参加するか議論するシリアスなシーンも織り込まれ、作品に深みを与えています。

この作品、日本の高齢者にも見てほしい。
ギネス認定の世界最高齢のヒップホップダンスチームの夢を諦めない姿に元気をもらえるはずです。

圧巻はラスベガスでの公演。
終演後、ステージでインタビューを受けた最高齢のメンバーが放った言葉に心を揺さぶられます。

つくづく、年齢は単なる数字にすぎないのだなーと思います。

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