中国の高齢化。日本が培ってきたサービスがビジネスチャンスに!?

2016年2月17日ニュースと考察

中国では、60歳以上の人口が2億1200万人。
ずてに高齢化社会である、日本で培ってきたサービスや介護事業関連のノウハウが、中国をはじめとする海外でも活かされるかもしれません。ビジネスチャンスも。

日本企業が中国の急速な高齢化をにらみ、現地向けの製品・サービス
に積極投資する。介護最大手のニチイ学館は中国企業を十数社買収し、
2016年度にも訪問介護サービスを中国全土に展開する。エーザイは
認知症薬を拡販する。すでに高齢化が進んでいる日本で培った事業ノウ
ハウを活用し、巨大市場の変化を商機としてつかむ。

 中国の国家衛生計画出産委員会によると、60歳以上の人口は現在約
2億1200万人とと全体の15.5%を占める。15年までの5年間
は毎年860万人ペースで増加し、その後も増える見込みだ。

 介護最大手のニチイ学館は中国の主要地域で家事代行企業の買収を進
め、介護サービスを広域で展開する。6社を買収済みで、さらに10社
の買収を決めた。

 中国では家政婦が家事代行と兼ねて介護サービスをこなすケースが多
い。ニチイ学館は買収企業に専門的な介護ノウハウを教え、介護中心で
も収益を伸ばせるようにする。北京や沿岸部に加え、16年度にかけて
重慶など内陸部もカバーする。同社によると中国の要介護者は約350
0万人おり、市場も黎明(れいめい)期で「少なくとも2兆3千億円規
模」(寺田明彦会長兼社長)という。

 高齢化に伴い、認知症患者の増加も見込まれる。エーザイは中国で認
知症の治療薬「アリセプト」の販売を拡大する。15年4~9月期の中
国売上高は27億円と前年同期比23%伸びた。各地の医療機関と連携
して外来診療所を今夏までに140カ所以上設置。認知症の進み具合を
的確に診断できる医療体制を広める。

(日本経済新聞2015年11月30日(火)14版より抜粋)

中国で介護の仕事に就いている人は国家資格(認定や試験はある)はなく、日本のように本格的な研修を受けることなく仕事に携わっているので、「専門職」とはいえない状況のようです。
介護職についている人の多くが、就職口が見つからないために仕方なく就業しているケースが多く、人材が流動的になっていることも問題だとか。

日本が培ってきたサービスや介護関連する仕事のノウハウが中国でも役立つことを期待しています。
日本の取り組みが高齢化社会をむかえる国のお手本となればよいですね。