バンコクで爆発! 現場付近のエラワン祠はタイ随一の開運スポット

2015年9月25日ニュースと考察

タイの首都バンコクにあるエラワン祠近くで衝撃的な爆弾テロが起こりました。
爆弾はTNT(トリニトロトルエン)で、祠付近の自転車に仕掛けられていたそうです。

報道によると、20人が死亡(タイ人7人、外国人7人、国籍不明6人)し、123人(うち55人が外国人)が負傷という事態に陥っています(2015年8月19日午前4時36分の時点で)。
重体の方の中には日本人男性もおられ、とても心配。

タイ、とくに大都会バンコクが好きな私にとって、このニュースは大ショック。
そして「エラワン祠」という場所がテロの舞台になったことに驚いています。
(写真はエラワン祠の周辺)

繁華街にある、このエラワン祠(エラワン・プームとよばれている。タイ語では「タオ マハープロム」)。
ここは開運やご利益をのぞむ人が訪れる、タイ随一といっていいほどの観光スポットなのです。
日本人好みにいえば「パワースポット」ですね。

■エラワン・プームの伝説

エラワン・プームがあるのは、BTS(スカイトレイン)のチットロム駅からすぐのラーマ1世通りとラチャダムリ通りが交差する四つ角。
ラチャプラソン交差点の一角だ。
チットロム駅からのびる高架道をはさんだその向こうには伊勢丹などの日系の百貨店やタイの高級デパート、セントラルワールドがある繁華な立地にあり、日本人観光客も多い。

なぜ、ここがタイ随一の開運スポットとなったのでしょう。
こんな話が語り継がれています。

それは1953年のこと。
この祠の脇にあるエラワンホテルの建設工事が始まったところ、事故が多発して工事がなかなか進まなかったそうです。
そこである占星術師がヒンドゥー教神のブラフマーを祀る祠を設けるようにすすめたとか。

すると、あれほど続いていた事故が影を潜め、建設工事が順調に進んでいったのです\(◎o◎)/!
そのウワサは口コミで広がり「願いを叶えてくれる神様」のいる祠として有名になり、
ここで願掛けをすると高い確率で成就する!という話が定説となっています。

「高い確率で成就」という言葉って、なんと人の心を動かし、参拝客を引き寄せる効果があるのでしょう。

聖域の中心部には四面体のブラフマー神の像が据えられています。
(ブラフマー神はヒンドゥー教では宇宙の創造を司る神、仏教では仏法の守護神)

この4つの顔をもつブラフマー神に祈りを捧げるとご利益があるといわれ、1日中、お参りする人が絶えないのです。
お線香の煙とにおいがむせ返す聖域の中では地元タイ人、そして観光客がごった煮となりながら、お供え物をし、お線香を立て、祈りを捧げます。

ちなみに、寺院周辺で花や線香を売る屋台は、たいていぼったくりなので、必ず聖域内での購入がオススメです。

■成就したら奉納の舞を踊ってもらう

聖域では何やら、民族楽器が奏でる雅な音楽が1日中鳴り響いています。
タイの民族衣装を着た踊り子さんたちもいて、いつ来ても踊っている。

これは「奉納の舞」です。

実はここで祈願をし、それが成就した人は感謝の心をこめて、タイの伝統舞踊を依頼するのです。
いつ行っても、この踊りと音楽は止むことがないので、相当数のお願い事が叶っているのかも!?

バスに乗り、このエラワン・プームの前を通っていると、バスの座席から合掌するタイ人も少なくありません。
それだけ、ここは信仰の篤い場所。

「人々の信仰に支えらている」場所で爆弾テロが起こってしまった。

この事件はなんとなくですが、タイで長く繰り広げられていた(いる?)政変を引き起こしたタクシン元首相派(赤シャツ)とその反対勢力の対立が関係すしているようには思えない。
タイ南部でテロを繰り返しているイスラム勢力の犯行という見方もあるけど、はたしてそうなのか?

いずれにしても、バンコクでは新しいタイプのテロなので、地元民も観光客も気を引き締めた方がいい。

タイのプラウィット・ウォンスワン国防相は「犯人は観光業に打撃を与える狙いで外国人を標的にしていた」という見解を示しています。

今年6月23日、タイの観光協議会は「2015年の観光客数が前年比19%増の2950万人と、過去最高に達する見通し」と発表したばかり。
2014年の国際観光収入ランキングでは日本を大きく上回り、世界8位にランキングしているタイは観光業が大きな産業。

テキの目的はタイ観光業の衰退だけなのでしょうか。