レクリエーション中の認知症高齢者の表情変化を解析すると?

2016年8月4日ニュースと考察

介護施設ではさまざまなレクリエーションを実施しています。
料理、折り紙、園芸、歌、風船バレーなど。

レク中の入所者(認知症の高齢者)の表情変化を分析することで、レクリエーションの有効性、そして参加者の感情に訴えることがわかる研究結果が日清オイリオグループ中央研究所から発表されました。

(前略)
同チームは川崎市中原区のグループホーム「のんびりーす等々力」と協力し、同ホームが昨年から今年にかけて入所者に実施した「狂言教室」の参加者4人に密着。計8回の教室で、4人の表情をビデオカメラで撮影、画像センシングという技術を使って表情を分析した。

約1秒ごとに表情の種類を判別し、笑顔、真顔、驚き、怒り、悲しみの五つに分類して出現頻度を数値化したところ、教室が始まり講師の狂言師が登場した場面と終了直後の講師の講評場面で、笑顔の増加傾向が確認された。

同チームは6月に開かれた日本認知症ケア学会で、研究内容を発表。「表情の変を数値化することは、入所者向けレクリエーションなどの取り組みがどれだけ生活の質向上に役立ったかを客観的に評価する技術として期待できる」と話している。
【尾中香尚里】
毎日新聞2016年7月31日 東京朝刊より引用

「楽しみがある」という状態=ストレスがない
ということです。

高齢世代になると体と心が一体となり、心が体に、体に心が表れるといってもよいでしょう。
長年連れ添ったパートナーや親しい友人を亡くした後、体が不調になってしまった…という話は少なくありません。これはさまざまな要因がからみあいますが、心労が体に影響をおよぼしたことが大きいように思います。

つまり、心の持ち方で体の状態は良くも悪くも傾いてしまう・・・。

レクリエーションなど「楽しい」ことを経験し、気持ちを高めつつ、心配事をなくしていくこと。
それは、心が体をリードして健康になっていく1つの方法なのではないでしょーか。

レクに参加した方の表情変化の解析は、レクリエーションの有効性がわかる新しい方法であり、レクの内容を考える参考として役立てられるでしょう。

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