自家用車のライドシェア(相乗り)はおおいに需要がありそう!

2015年10月23日ニュースと考察

誰かが所有するものや考え、サービスを共有(シェア)して、利用する。
インターネットの世界では「シェアする」という行為は一般的ですが、日本では自家用車のライドシェア(相乗り)は規制がありました。

しかし、10月20日の国家戦略特区諮問会議で、このライドシェアが規制緩和される方向に話が進みました。

安倍晋三首相は20日の国家戦略特区諮問会議で「過疎地などで観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」と述べ、一般の人が自家用車で有償送迎する「ライドシェア(相乗り)」を可能にする規制緩和を検討するよう指示した。

アニメや和食などを学びに来た外国人が滞在しやすいよう在留資格の見直し検討も求めた。

ライドシェアは、バスやタクシーといった公共交通網が十分でない地方で、交通弱者の高齢者や観光客の移動手段として期待される。
現行法では「白タク」行為として禁止しており、秋田県仙北市や兵庫県養父市などが規制緩和を求めている。

20日の会議ではまた、個人宅を宿泊施設として利用できる「民泊」(東京都大田区)や、起業目的で来日した外国人の在留要件の緩和(東京都と福岡市)など、各特区が申請した計14事業の計画を認定した。 

時事通信 10月20日(火)12時35分配信より

■ライドシェアの規制緩和されると、大きな需要があると思われる

空港から目的地への移動を例に考えてみます。
福岡空港のように市街地に隣接し、地下鉄もバスもアクセスが最高に良い空港もありますが、そうではない県もあります。

たとえば広島空港。
広島市街地からは頻繁にリムジンバスが運行し、空港と市街地間は約40分。
便数も多いので利用しやすい。
他に空港からは、呉、竹原、三原、尾道、福山など主要な街には便数は際だって多くはないものの、バスの運行があります。

ところが、県北部と空港間にはバスの運行がない(=車のない人は足がない)。
空港は県北部から南下したところに位置していますが、バスの運航がないため、わざわざ広島市か三原市もしくは福山市に移動してからJRかバスを利用しなければなりません。

東京・羽田空港から広島空港まで約1時間20分かかりますが、広島空港に到着できても、乗り継ぎの都合によっては羽田・広島間の3倍以上の時間がかかってしまう・・・。

県北部に暮らす、クルマのない人にとっては大変利便性が悪い空港なのです。

しかし、シェアライドが規制緩和されると、誰かが自分の車を使って、空港を利用したい人をサポートすることができます。
これは実際、望まれていると思います。
ビジネスとして成立するのではないでしょーか。

自家用車のシェアライドが規制緩和されると、これからシェアライドのマッチングサイト、アプリが登場し、自治体(とくに過疎地)もこのシェアライドを推進するでしょう。

個人的にも、東京からアクセスがあまり良くない場所(バスが2時間に1本しか運行されないとか、JRとバスなどいくつも乗り継いでしか目的地にたどりつけないとか)に出かける時には使ってみたいと思います。
おそらく、そのサービスの提供先を探すのはインターネットで、シェアライドのマッチングサイトやその土地に暮らす人の情報を利用することになるでしょう。

地元に暮らす人にもメリットがあり、自宅から目的地にダイレクトに移動したい人にとっては、このサービスはおおいに役立つと思います。

個人の家を宿泊施設として利用できる「民泊」(東京都大田区で実施)など、最近、日本は規制緩和の決定が速いのは喜ばしいことですね。

配車アプリサービスで知られるUberは、2015年2月に福岡市でライドシェア「みんなのUber」を実験的に行いましたが、国土交通省により「待った!」がかかりました。
しかし、ライドシェアの規制が緩和されると、海外で実施しているランチの宅配サービスやマッピング用ストリートカーなどで、本領発揮するのではないでしょうか。