「介護離職ゼロ」に対応。 介護職員の再就職に20万円貸与

2016年1月6日ニュースと考察

介護業界は人手不足の業界でもあります。
需要が拡大しているにもかかわらず、供給(施設や職員の数)が不足しているからです。

社会的にも供給は急務なのですが、慢性的な職員不足に悩まされているのがこの業界。

厚生労働省は「介護離職ゼロ」対策に、離職した介護職員が再就職する際に準備金を貸与する制度をスタートさせます。

安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」の目標のうち、「介護離職ゼロ」
実現に向けた人材確保のため、厚生労働省は15日、結婚・出産・育児
などで離職した介護職員に、再就職のための準備金20万円程度の貸し
出しを来年3月までに始めることを決めた。福祉や介護分野で5年間働
けば、返済を免除する方針。

離職者の復帰支援に加え、介護福祉士になるための学費や入学準備金
を無利子で貸与する制度も拡充、定年退職した会社員や公務員にも介護
職場での就労を働きかける。18日に閣議決定される2015年度補正
予算案に介護人材確保策として約500億円を盛り込む。

(共同通信社2015年12月15日18時07分配信分より抜粋)

福祉や介護業界で5年間働けば、準備金は返済免除になるようですね。

目の前にいる人をさまざまな面からケアする介護職はルーティンワークと異なり、その瞬間にできることを考え、実行するLiveな仕事ですが、なかなか人材が集まりにくいのも事実。
「低賃金で重労働」というイメージが根強く、職場の人間関係も離職の原因になっています。

「平成25年度 介護労働実態調査結果について」(公益財団法人 介護労働安定センター)によると、

★直前の介護の仕事をやめた理由(占める割合が多いものより)
◯職場の人間関係に問題があったため・・・24.7%
◯法人の施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため・・・23.3%
◯他に良い仕事・職場があったため・・・18.6%
◯収入が少なかったため・・・17.6%

という結果に。

また「夜勤」という労働形態も離職を招く要因。
日勤と夜勤が混在すると疲労が重なり、介護職員もレスパイトケアが必要。
これは夜勤専門の介護職を雇うことで悩みは軽減できそうな気がします。

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