介護ロボット導入に賛成!現場の声は約97%

2015年9月11日ニュースと考察

介護職の身体の負担を軽減させるため、最近では介護ロボットの開発や導入が進められています。

この記事にも書きましたが、神奈川県では「職場処遇改善コンサルティング支援事業」として、県内30箇所の介護等施設で最先端のロボットスーツ「HAL®介護支援用(腰タイプ)」の試験導入を発表しました。

日本介護クラフトユニオンでは組合員327人を対象に「腰痛と介護ロボットについてのアンケート」を実施しました。

その結果、

約97%の人が介護ロボットを活用することに賛成していることがわかりました。
内訳は「今後、介護ロボットを介護業界で活用すべきか」の問いにたいして、

32%が「活用すべきだ」
65%が「懸念材料がなくなれば活用すべきだ」

と回答。

■介護職の「職業病」腰痛の予防に

日本介護クラフトユニオンの調査では「今後、介護ロボットを活用したい人」は約45%。

その理由は

1.負担の大きい介助がラクになる 約46%
2.腰痛の予防になる 36%

この結果からわかるように、介護の仕事をする人に多いのが「腰痛」。
これは職業病ともいえるかもしれません。

たとえば、入浴介助やおむつ交換の時。
浴室でキャリーに乗ってる利用者の体を洗う時やベッドでおむつを交換する時には、中腰の姿勢が続いてしまいます。

日々、腰に負担がかかる業務を続けていると、痛みやツラさとなってあらわれてしまう。それは深刻な問題!

介護職ではない私も、ときどき腰痛に悩まされることがあります。
こりゃ痛むな…と感じた時は、はやい時点で整体院のお世話になるようにしているのですが(予防のつもり)、それでも腰痛はやってきます(;_;)。

利用者さんの介助を行う介護職の腰痛は慢性的なものといえるでしょう。

今回のアンケートでは
「腰痛がある」という回答数は56.8%。
そのうち5年以上、腰痛に悩まされている人は20.8%という結果に。

介護支援ロボットを導入することで、介護職のお悩みが解消されるとよいですね。

介護クラフトユニオンが実施したアンケートの結果はこちらから。

■他業界の介護支援ロボット事業

介護支援ロボットの企画・開発では理研や筑波大学発のベンチャーであるサイバーダイン、コミュニケーションを重視した人型ロボットPepper君のソフトバンクが知られていますが、自動車大手のホンダとトヨタ自動車も介護支援ロボットの開発に注力しています。

ホンダは歩行をサポートするロボット「ASIMO」が知られていますね。

そしてトヨタ自動車は2011年に「介護・医療支援」を目的としたロボットを発表しています。
足の不自由な人の歩行練習用装置のほか、人間の言葉を理解し、床に落ちた物を拾ったり、棚の上の物を取って人間に届けるなど、手足が不自由な人を支援するロボット「HSR」など。

自動車製造で培われた技術を応用することで、高機能なロボットが登場することを願います。

ところで、ロボットスーツHALの開発で知られるサイバーダインの創業者、山海嘉之筑波大学教授って、TEDに登壇されていたのですね。
HALの実装も見られます。(英語)