冬、雪の日光聖地紀行2 日本ロマンチック街道沿いの花石神社、青龍神社

2016年3月4日旅行

世界遺産に指定されている日光山内ですが、二荒山神社西参道につながる国道120号線(日本ロマンチック街道)を中禅寺湖方面にしばらく歩いていくと、由緒ある寺社が点在します。

観光客でいっぱいの二荒山神社、東照宮、輪王寺といった日光山内がいわゆる「オモテ」だとしたら、こちらは「ウラ」と表現したくなるようなこじんまりとした聖域。

磐裂神社、青龍神社、八幡神社、花石神社、釈迦堂、久次良神社など。
小さいながらも、個性ある寺社が存在するのです。
私が訪れた時は観光客はゼロでした。

日光植物園の国道を挟んだ先にあるのが花石神社。
ここは花石町の氏神様です。

image花石_R

まず目に飛び込んでくるのは、樹齢800年を数えるケヤキ。
幹から隆起した木肌はラクダの瘤が無数にはりついているよう。
長い風雪に耐え抜いた力づよさを感じます。

まっすぐ行くと、日光市指定文化財である大杉がスッとそびえ、さらに「奥の細道」風情の参道を進むと、うっそうとした木立に朱色が際立つ小さなお社が。
左右の石灯篭に彫られている日月の意匠は、太陽と月への祈りがこめられています。

徳川時代までは「十八王子」とよばれた、このお社のご祭神は少名彦名命。
境内には若山牧水の歌碑も建っています。

さて、この旅で最も印象に残ったのが、花石神社から二荒山神社方面に歩いていく途中にある青龍神社。
荘厳な気配を感じる境内に足を踏み入れ、細く長い参道を進み、お社への石段を数段上がったものの、雪で滑ってしまい(尻モチつきーの)参拝は叶いませんでした。

「青龍」と聞いて思い出すのは空海。
遣唐使で唐の都、西安で師の恵果より密法を授けられたのが青龍寺であり、帰国した彼はゆかりある場所に「青龍」の名を付けています。

余談ですが・・・昔、西安を旅した時、青龍寺に行ったことがあります。
その場で感じた「お寺は民に心をおしえる場である」という色濃い空気、、、現代の日本のお寺とは「在り方」が違うのかな、ということを思い出します。

ちなみに岡山県新見市にも青龍寺というお寺があります。
お寺の縁起をうかがったら、西安にある青龍寺の環境によく似ていたことから、唐から帰国した空海が「青龍寺」と名付けたのだとか。

image花石4_R

話を戻します。

やはり日光の青龍神社もまた、空海が関わっていて、彼の弟子が仏法の守護として京都醍醐の青龍神を移し、祀ったそう。
今は大海津見命(オオワダツミノミコト)がご祭神。

東照宮、二荒山神社の例大祭の時には、晴天を祈ってここで祈晴祭が行われるとか。

雪がかたまり、ツルツルすべる石段を到底登ることができなかった私でしたが、地元の方とおぼしき年配の男性は難なくと登られ、参拝されていました。

・・・?

どこからか「今はまだ、その時ではない」という声がどこからか聞こえてきたような。。。

とはいえ、「足止めをくらった」という感じでもないのです。何なのだろう。
ちょっと不思議な体験でした。

寺社が点在する道沿いに「洋」の建造物が新鮮に感じられた日光真光教会。

image花石2_R
1914年の創建で、ゴシックスタイルの石造りが、重厚な印象。
今にも聖人がしずしずと扉を開けて出てきそうな厳かなムードがたなびいています。
こちらの礼拝堂は北関東では一番古いものなのだとか。

続きます。

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Posted by kaigonok