驚くほどやわらかい介護食。「あいーと」を試食してみました!

2016年5月9日食べもの

介護食「あいーと」を試食しました。

噛む力や飲みこむ力が衰えてくると、食が細くなるし、そうなると体力が落ちてしまう原因になりかねません(;_;)

食事はエネルギーを体内にとりいれるためのもの。
なので、介護の現場では食べるための工夫がなされています。

すりつぶしたり、小さく切り刻んだり、ミキサーにかけたり、あるいはとろみ剤を用いたり。

主には飲み込みやすいペースト状の食事になるのですが、食べものの原型をとどめていない見た目から「食欲がわかない」と、あっさり言い放つ方もなかにはいらっしゃいます。

労力をかけて作ったのに報われない・・・(´;ω;`)

皆さんのなかには、そういった経験のある方もいらっしゃるかもしれません。

とくに食べることがお好きな方は

見た目を楽しみたい。においをかぎたい。季節感を感じたい。

といった、普通食と同じようなものを求められるように思います。

今回、試食したイーエヌ大塚製薬さんの「あいーと」シリーズは、そんなリクエストに答える食がラインアップされています。
しかも、いわゆる「再成形食」ではなく、食材そのものを食べやすく工夫したものばかり。

私が試食したのは「鮭の照焼き 柚子風味」と「筑前煮」。

冷凍保存し、パッケージから取り出したところ。
レンジにかける所要時間はメニューによって異なります。

imageあいーと2_R

それぞれレンジにかけ、取り出して、器にもってみました。

鮭の方は盛っている最中、アララ、身がほぐれてしまいました。
ま、それだけやわらかいってことですね^^;

imageあいーと3_R

「鮭の照焼き 柚子風味」を食べてみてびっくり!
正直、介護食は味などは二の次かと思っていたのですが(失礼!) なんと、本格的なお味。
柚子の風味もお上品で、これはグルメの方が喜ばれることでしょう。

驚いたのは、身がほろほろと崩れ、口の中をチクッと刺す小骨や意外にウットーしい繊維の硬さがまるでないこと。

\(◎o◎)/!

この食感は「食材そのものの繊維を酵素の力で軟化加工」させる技術で実現できるそう。

介護食というと、特別食のような印象を受けるかもしれませんが、こちらは家庭の食卓に出されても、見た目もお味もフツーに楽しめると思います。

そして筑前煮。

imageあいーと4_R
高齢の方にかぎらず、日本人はこういった「ザ・和食」「ザ・おふくろの味」的な献立が時々恋しくなるのでは?

鶏肉、人参、里芋、れんこん、たけのこが入った筑前煮は、原型をとどめているものの、かなりトロトロな食感。
飲み込む力がおとろえていても、これだとスルッと食べられそう。
量もお椀に1杯分ぐらいで、副菜としてはちょうどよい量。

「あいーと」さんのメニューは常食に比べて硬さ1/100~1/1000という、舌でくずせる程の驚きのやわらかさなのだとか。

ただし、おかず1品500~600円台と少々高価なので、毎食この食事を2、3品取り入れるわけにはいかないかも。

長寿の方に共通する長生きの秘訣を聞くと「なんでも美味しく食べること」だとか。
日本にはグルメの方も多くいらっしゃるので、見た目もお味も楽しめる介護食の需要は大きいと思います。

これから高齢者とよばれる世代になる方は外食に親しまれ、外国旅行も経験し、幅広い料理を味わってこられた方も多くいらっしゃるはず。将来、和食やポピュラーな洋食以外の介護食もラインアップされるかもしれません。

介護食は、いつものメニューに1品取り入れるだけで、介護食のエンターテインメント性も高まるような気がします。

あいーとさんのHP

(製品提供:世田谷区 ケアマネージャー 奥村寿美枝さま)

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