高齢者、介護食にやさしい、とろみ調整剤

2016年4月2日食べもの

かつて勤めていた会社の上司が特養にいます。
骨折してしまい、しばらく整形外科のある病院に入院していたのですが、お見舞いに行った際、テーブルに小さなボトルが置いてありました。

フタにマジックで書かれていた文字は「とろみファイン」。
こちらが半透明のボトルに入っていたのです。

ダシのもととか、旨味のもとのようなものだろう。
彼(元上司)はグルメで、食事に人一倍気を使ってきたし、宴席でおいしくないものが出ると機嫌がうんと悪くなっていたし。
きっと、病院で出されるスープやお味噌汁に旨味を加えているに違いない。

しかし。

とろみファインとはダシのもとなんかじゃなく、実は飲み物にとろみをつけるスグレモノだったのです(*^_^*)

メーカーの商品紹介によると、
「飲み物にすばやくとろみをつけ、適度なとろみで飲みやすくなるように調整できる商品です。
のどごしなめらか! べたつかず、のみやすいとろみに調整できます。
おいしく安心! 透明感にすぐれ、食べ物や飲み物の味を変えません」
とのこと。

上司は看護師さんからりんごジュースにとろみファインを入れてもらっていました。
そして、私も少しばかり試させてもらったのです。

お、こりゃいい!

とろみがつくと風味も変わるのでは?と懸念してましたが、そんな心配はなく。
しかも温かいものにも冷たいものにも使えるというではないですか。

上司にとって、食事は楽しみのひとつ。
けれど、飲み込みが難しいために、介護食ばかり食べていては、味気ない思いをするでしょう。

余談ですが、上司が入院している特養では、彼が元気だった頃のライフスタイルもちゃんと把握していて、日本酒好きの彼のために、毎日おちょこ1杯だけお酒を出しています。
これには上司も大喜び!
おちょこ1杯とはいえ、この日本酒が飲めるということが、どれほど食事の楽しみが増すか!
QOLに通じるものがあります。

とろみをつけるものといえば片栗粉を思い出します。
たしかにとろみ剤として用いることもできないことはありません。

けれど、片栗粉はだまになりやすいし、加熱しないととろみがつかない性質。
なので、温度に左右されないとろみ剤を用いる方が手軽でしょうね。
冷たいものは、一度とろみをつけて、冷まさないといけないし。
時間と手間の節約のためにはとろみ剤を使った方が、介護する側にとっては手間がかかりません。

特養にいる上司は市販のゼリーをおやつによく食べています。
現役の頃はあれだけ無添加のものにこだわっていて(成分表示のチェック魔)、増粘多糖類や保存剤などが入っていると、私にまわってきたものでしたが、(一度、お歳暮にもらったハムがまわってきたことがある。理由はやはり添加物)今ではそんなことは気にすることなく、出たものを何も言わずモクモクと食べています。

その姿はちょっとせつないのですが・・・。
けれど、とろみファインのようなとろみ調整剤が登場し、食べられるものの範囲が広がるってことは、食べることが好きな人にとっては福音だと思うのです。

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