果物の王様「ドリアン」の種を食べてみよう!

2016年4月4日食べもの

このフォークに刺さった物体。何だと思います?

実はこれ、ドリアンの種なんです。

最近、日本のスーパーでも見かけるようになったドリアン。
西友で開催されていた期間限定タイのフルーツフェアで、タイから輸入されたマンゴスチンとドリアンを購入したことがある。
ネット入りの外皮付きドリアン1つを思いきって買い求めたのだ。(重かった~)

ドリアンはまだ若く、家で1週間ぐらい熟成させた後、軍手をはめて、あのトゲトゲの皮をエイヤッと包丁でカットした。
自分でもドリアンに命かけてる気がしたわ^^;。

ドリアンの外皮をカットと聞くと「格闘」という漢字を思い浮かべる人もいるかもしれないけれど、意外にも、皮に切り込みを入れるとサクッとわりと簡単にはずれる。

あの独特のにおいを強烈に放つドリアン。
においにノックアウトされ、食べられない(口に入れられない)という人もいるほど。
今もあるのかな、ドリアン持ち込み禁止のホテルは。
たしかに、「あのにおいは生ごみ」といわれたら、そんな気もします。

しかし、フルーツとは思えないほどのインパクト大のにおいの洗礼を受けた後にやってくるのは至福。
濃厚なチーズケーキのような、カスタードクリームのような味わいは、なにものにも変えられないほどの美味。
この「フルーツの王様」にひれ伏す人は世界中に数えきれない。

けれど、種まで食べられることはほとんど知られていないのではないでしょーか。

■ベトナムで体験したドリアンの種の煮物

ドリアンの種が食べられることをおしえてくれたのはベトナム人の友。
ホーチミンの彼女の自宅にホームステイしていたのですが、ドリアンを2人で食べた後、人間の脳のようなカタチをした種を捨てようとしたら

「ちょっと待って!」と制する声。

「種をどうするの?」と尋ねると、「これからボイルして食べよう」

こうして初めて、ドリアンの種が食べられることを知ったのです。
ドリアンの実は個性的なにおいを放つけれど、種だとほとんど気にならない。

その種をお水を沸騰させた鍋の中に放り込む。
しばらくして、彼女はフォークを刺し、かたさをチェック。
フォークが自然に種のなかまで入ったら、火をとめて取り出す。そして種を覆う皮を剥く。

彼女が慣れた手つきで皮をむいていくと、小芋のようなものがあられた。
友人がそうしたように、私も口に運ぶと、まさしく見た目とたがわず小芋あるいは里芋。
クセがなく、こっくりしている。

ドリアンの種と言われなければ、フツーにイモ類と思い、食べてしまうだろう。
後で、調べると種にはでんぷん質が豊富に含まれていることがわかった。だからか。

食べながら思ったのは、もしかしたら、ドリアンの種は煮物として使えるかもしれないってこと。
イシルのベトナム版、ニョクマムをベースにした味付けで、鳥や野菜なんかを煮込んだら、おいしいかも。
いや、ニョクマムとドリアンの種というシンプルな煮物もいけるかも。

さて、東南アジアでドリアンが収穫できる国は今、雨季で、旬を迎えています。
ベトナム、タイなどでは、路上にドリアン売りの人が出ていて量り売りしていることでしょう。

日本よりはるかにトロピカルフルーツがお安く買える東南アジアですが、このドリアンのお代は別格。
果物の女王マンゴスチンと比較すると、高めに感じるはず。
タイの場合だとマンゴスチン1kg40バーツ(約160円)ですが、ドリアンはそれなりにふくよかな2房が120~190バーツ(約480円~760円、種類によって値段も変わる)。
※一律の料金ではありません。屋台、スーパーなど購入する場所によって値段は変わります。

■ドリアンは高齢者にも

いろんな意味で別格フルーツのドリアン。
栄養価が高く、ビタミン、リン、鉄分、カルシウムが含まれ、ミネラルも豊富です。
葉酸も豊富で、妊活中の人にもおすすめ。
そして、女性にうれしいのは、体を温める作用があること。

よく言われるのが、ドリアンを(科学的には分かっていないけれど)アルコールと一緒に食べるは厳禁ってこと。
おなかの中で発酵する、おなかが緩くなる云々。
私の経験上、いえるのは、アルコールを摂取しなくても、食べ過ぎるとおなかが緩くなるというのはわかる。

雨季が旬のドリアンだけど、一度、季節はずれのドリアンを食べたことがある。
乾季の2月、タイの果物名産地といわれるラヨーンでのこと。

バンコクでは見なかったのに、バスで約2時間ぐらい離れたラヨーンには販売されていたのだ。
おそらく、生産者だろう。
おじさんが車の荷台にドリアンを積み、商魂たくましさもなく、のんびりと売っていた。

季節はずれのドリアンには期待していなくて、口に入れたけど、期待を裏切り、美味だった!
さすが、果物の名産地として名高いラヨーン産だけのことはある。

このドリアン、日本の高齢者にも食べてほしい。
おそらく、あのキョーレツなにおいが登竜門になるような気もしますけどね。
けれど、栄養価を考えると、ぜひトライしてほしいものです。
果肉の性質上、嚥下食にも利用しやすいような気もするしね。

「落ちたドリアンを拾う」。
これはインドネシアのことわざで、「幸運を思いがけず拾う」という意味。

ドリアンを食べて、思いがけず、幸運(元気や健康)をいただきたいものですね。

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