全国初!飯能のマクドナルドで開催されている「認知症カフェ」を取材

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昨年10月、念願かなって飯能市の「マクドナルド299バイパス飯能店」で開催されている認知症カフェ「ひだまりカフェ」へ。
大正大学が刊行されている月刊誌『地域人』16号の取材でした。

この記事を掲載していたこともあり、ぜひ一度おじゃまさせていただきたかったのです。

毎月第2、第4火曜日の午後2~4時、店舗内の空いたスペースで開かれている「ひだまりカェ」は2016年4月にスタート。運営するのは飯能市を拠点に調剤薬局や介護事業を幅広く展開されているヴェルペンファルマさん。

マクドナルドでの開催を発案し、認知症カフェの名前を「陽だまりのように和む場所にしたい」という思いからへ「ひだまりカフェ」と名付けたのは、ヴェルペンファルマさんが業務を受託する「地域包括支援センターはちまん町」の主任ケアマネージャーの高橋正代さん。

「思いをカタチにするのは、最初から『出来る!』と思って取り組んでいく気持ちだと思うんですよね」

高橋さんは同社の介護事業の立ち上げから関わっていらっしゃり、デイサービスのお茶飲み会の会場として、このマクドナルドを使われていらしたそう。着想を現実にさせるため、事業所から飯能市を通じてマクドナルドへ提案されました。

結果、マクドナルド側も社会貢献できることもあり、快諾。月に2回(火曜日)午後2〜4時の比較的混んでいない時間帯を利用できることに。
使用料は無料。認知症カフェが開催される日は、マクドナルドの入口には「ひだまりカフェ」の貼り紙もなされる。

ひだまりカフェでは、ケアマネージャー、社会福祉士、薬剤師、管理栄養士が常駐。薬局から介護事業まで手がけるヴェルペンファルマさんが開催されるだけあり、認知症患者ご本人や家族が相談できる内容が幅広いことが心強い。

認知症カフェ飯能3

11月下旬にうかがった取材当日は、常連さんや民生委員の紹介で来られた高齢者3 人が参加。参加者はおひとりだけのこともあるそう。

なお、全国初のファーストフード店で開催された認知症カフェという点も話題になり、見学に訪れる医療や介護関係者、マスコミも少なくないとか。

マクドナルド店内には飯能市の観光案内とともに「ひだまりカフェ」を告知するチラシも置かれてある。入口の貼り紙といい、有機的な空気を感じる。

認知症カフェ2

299バイパスに面した立地のマクドナルドはクルマに乗る人には利便性がよいし、飯能駅からは徒歩15分程度。興味のある方は飯能の商店街を通り抜け、散策気分で出かけてみるのもよいかも。

さて。「認知症カフェには興味はあるけど、自分や家族が認知症であることがバレるのがイヤだ、だからあえて、家から離れた認知症カフェに行く人もいる」という声を聞いたことがある。

おそらく「認知症」という言葉がカフェの前にくっついているから?
人目を気にする人にとってはこの言葉はひっかかるものがあるのかもしれない。
けど、すでに高齢社会の世の中、これから高齢者人口は増えていくこともあり、「認知症カフェ」(あるいは将来、別の名称になっているかも?)は自然と世代やジェンダーを超えて、いろんな人とつながれる場所になるんじゃないかな。

ところで、マクドナルドで認知症カフェを運営するヴェルペンファルマさんには社歌がおありです。
「歌にはヒトの言葉や仕草にはない『伝える力』があると思うのです。この歌を聴いた皆さんが笑顔になってもらえたら」とは、社歌の仕掛人である大野泰規専務。

エレカシやケツメイシ、加藤ミリヤなどの音楽プロデューサーで知られるYANAGIMAN(ヤナギマン)さんが手がけられたこちらの社歌。聴いているとココロがほっこりします。

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