「握力」を高め、認知症発症リスクを減らそう!

2016年7月11日ニュースと考察

認知症の発症要因は完全に解明できてはいません。
しかし、糖尿病や心臓病の持病があったり、握力の弱い人は、認知症を発症するリスクが高いという研究成果が発表されました。

(前略)国立長寿医療研究センター他などのチームがまとめた。

八つの危険要因をリスト化。「該当する人に、重点的に生活習慣改善などの支援をすべきだ」との提言を行った。

チームは、愛知、秋田、石川の3県で、計約3300人を3~16年追跡した四つの研究をもとに、認知症のリスク要因を分析した。

その結果、脳卒中の経験がある人は、ない人に比べ、認知症のリスクが2・6倍高かった。糖尿病、心臓病の持病がある人は、それぞれリスクが1・7倍、1・5倍だった。体力や筋力の目安の握力が26キロ未満の男性、18キロ未満の女性も2・1倍だった。学校教育の年数が9年以下の人のリスクは、9年を超える人の2倍だった。また、うつ傾向がある人のリスクは、ない人の1・6倍。難聴の人は1・4倍だった。

そのほか、介護危険度の簡易チェックで「認知機能低下の恐れあり」と判定された人は、認知症に2・5倍なりやすかった。アポE4多型という認知症のリスクを高める遺伝子を持つ人も、認知機能が低下する傾向があった。調査をまとめた名古屋学芸大学の下方浩史教授は「予防には、普段から頭を使い、生活習慣病やうつを予防し、体力維持に努めることが重要だ」と話す。

読売新聞(ヨミドクター)2016年7月4日より引用

以前から、握力低下はアルツハイマー病への確率を高めるといわれていました。
(※認知症の7割はアルツハイマー型)

それを踏まえると「握力を鍛えること」が認知症予防になるのかな、と。

握力が高い=運動をしている

ということですね。

ある実験によると、体の総合筋力が高いグループは、筋力が弱っているグループと比較すると、アルツハイマー病になる確率が61%も低いということがわかっています。

高齢者が握力を高めるトレーニングには「ひとりじゃんけん」がカンタンにできます。

右手はグー、チョキ、パーの順番で。
左手はチョキ、パー、グーの順番で。
(両手は同じ動きをしないということですね)

グーはギュッとしっかり握りしめる、チョキはパ2本の指に力を入れる、パーなら思いきり手のひらを開くのがポイント。
1回1回の動作をしっかり行っていきます。
最初は両手が違う動きをするのでスムーズにはいかないかもしれませんが、慣れたらこの動きをできるだけ速く行います。

「ひとりじゃんけん」は握力を高めるだけではなく、脳をはたらかせ、認知症の予防に役立つのでぜひやってみてください。

ある高齢者の方はお化粧をする時、化粧水の蓋を何度も開け閉めを繰り返すそうです。
なぜなら、しっかりと開け閉めする動作が手と指の力を使うことになるから。

ところで、運動は「運を動かす」と書きます。
ならば、体を動かすと運気が良くなっていく、ととらえてみてはいかがでしょう。
なにしろ健康であること=幸運ですから。

動きがないところには幸運(健康)もやってこない。
ぜひ、運を動すアクションを取り入れて、健康になりましょう(^o^)

認知症予防の「脳トレ」みたいに、握力アップをはかる「握トレ」を取り入れてみるのもよいですね。

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