お客と貨物の「客貨混載」バス。ぜひ過疎地の交通モデルに

ニュースと考察

交通弱者(個人的にはあまり好きではない言葉ですが…)が過疎地に多く暮らしていることから、人口が極めて少ない地域に住む人々の交通手段について緊急の課題になっています。

最近ではロボットタクシーが実証実験を始め、未来は過疎地の交通手段として活躍しそうですが、すぐの実現にはならないでしょう。

さて、ヤマト運輸がはじめた「客化混載事業」が過疎地に暮らす人たちの足として注目されています。

その1つが宮崎県で15年10月1日からを開始した客貨混載事業。
(上の写真はヤマト運輸サイトのキャプチャ。 地域の課題解決取り組み事例)

この事業は熊本県境に近い、西都市-東米良地区-西米良村を結ぶ路線で、ヤマト運輸と宮崎交通の協業で始めたものです。
国道219号線を走る路線で、1日2往復の「客貨混載」便となっています。

ここに暮らす人にとっては買い物や病院診察、人に会うといった用事を行うための貴重な「足」となります。

一方、ヤマト運輸のメリットは、それまで片道1時間半かかっていた「西米良村―西都市」間を一日2往復していたのが、1往復ですむようになったこと。つまり、集荷するための滞在時間をのばせるわけです。

すると、お客様も集荷の最終締め切り時間がのび、荷詰めなどの作業に余裕をもてることになりますね。双方にとって大きなプラスを感じます。

この客貨混載の車両は、中央にある乗車口の扉のすぐ前が荷物スペースになっているので、重量のバランスもとれるし、車椅子のスペースも確保できる。なんと改造費もリーズナブルなのだとか。

企業も土地の人々、双方にメリットのある客貨混載車。
全国の過疎地に毛細血管のように広がってほしいものです。

関連エントリー
注文を受け、1人分から配達。銚子電鉄の高齢者向けサービス
ロボットタクシーの実証実験。将来は介護施設の巡回車としても?
将来、スマホは民生委員の役割を担うかも?下仁田で活用の実証実験