浄土真宗の僧侶が医療・介護の現場で「心のケア」を担当

2017年1月9日ニュースと考察

団塊世代が75歳以上の後期高齢者になるという「2025年問題」。
あと8年後にやってくる未来を見据え、医療や介護同様、心のケアも大切になってくると思います。

浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)は、2017年秋より医療や介護の現場で心のケアを担う、僧侶を養成するそうです。

(前略)計画では、15日間の基礎研修と3カ月間の臨床実習を実施。医師や薬剤師、介護職員らが講師となり、がんの特性や医療用麻薬などに関する知識と生活支援技術を僧侶に身につけてもらう。龍谷大が実施する「臨床宗教師」の研修プログラムと単位互換も行う。

初年度は4~5人の養成を想定。専門僧侶は布教を目的とせず、医療・介護チームの一員として働き、患者や利用者に加えてスタッフの心のケアにも当たる。

病院や高齢者施設にとっては「縁起が悪い」と僧侶を敬遠する向きがあるほか、雇っても診療報酬や介護報酬の加算がなく、経営上のメリットは薄い。このため、本願寺派は人件費の一部を1年間助成し、雇用先の開拓も進める。

本願寺派は昭和62年から、僧侶や門信徒が病院や高齢者施設でボランティアなどを行う「ビハーラ活動」を推進。平成20年には京都府城陽市に僧侶が常駐する緩和ケア病棟「あそかビハーラ病院」と、特別養護老人ホーム「ビハーラ本願寺」を開設していた。

産経新聞 1/5(木) 14:54配信より引用

この背景には「2025年問題」で、医療や介護の現場で生じる死への恐怖、悲しみなど
に寄り添う僧侶を育て、その存在が心の拠りどころとなるようにという、浄土真宗本願寺派の「社会貢献」も考慮されています。

個人的には、これからもっと重要視されるだろう「レスパイトケア」など、ご指導いただきいたいところ。会社で有休休暇を使うことに罪悪感を感じる人の割合が多い日本人にとってレスパイトケアも「罪悪感」の対象に受け止められる可能性が高いような気がするからです。

病床にある人、介護で疲れている人たちの苦しみや悩みに寄り添う僧侶の存在に救われる人々も多いのではないでしょうか。

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