福岡名物の海藻を固めた「おきゅうと」は長寿食!?

2016年6月8日食べもの

所用で福岡へ。
福岡といえば、お菓子の「通りもん」、明太子、長浜ラーメン、そしておきゅうと。
というのが私の福岡名物。

みなさん、「おきゅうと」はご存じですか?

こちら、全国的な知名度は明太子やラーメンにくらべると今ひとつかもしれません。
私も福岡出身の友人におしえてもらうまで「おきゅうと」の名前さえ知らなかったから。

知らない人が聞いたら「お灸」に関係する福岡の方言だと思うかもしれません^^;

このおきゅうと。
これは海藻を煮つめ、固めた食べもの。
福岡の人はよく朝食に食すそうです。

もともとは、福岡で飢饉が起こった時、飢えをしのぐために土地の漁師が考えたものだそうで、その由来から「救人」(おきうと)の名前が付けられたのだとか。

おきゅうとに用いる海藻の1つに「いぎす」があります。

いぎすにはこんな思い出が・・・。

長寿の島として知られている、広島県尾道市立花を取材した時のこと。
長寿の秘訣はこの地域の人々が昔から海藻をよく食べることにあるといわれ、その地域では「いぎす豆腐」という海藻を使った郷土の味が存在しました。

食物繊維やミネラルを豊富に含むいぎす豆腐は、浅瀬に生えている海藻「いぎす」を米のとぎ汁などを用いて炊き、冷まして固めたもの。
おきゅうとに似ています。
見た目はところてんや寒天のようにフルフルしてそうに見えますが、実はわりあいしっかりとした食感。酢醤油でいただきました。

そのお味は今となってはあまり覚えていないのですが^^;

ということを、福岡でおきゅうとを味わいながら思い出した次第。

おきゅうとはたいてい福岡のスーパーに行くと、こんにゃくかお魚のコーナーに置いてあります。
上の写真のような巻き煎餅状のものか、寒天を用いて長方形に固めたタイプのどちらかが見つかるはず。
海藻のエキスを余すことなく味わうなら、海藻を固めた方がおすすめです。なーんて書きましたが、よく考えたら寒天も海藻で出来ているんですよね~(^o^)

件のおきゅうとをおしえてくれた友人ですが、おきゅうとは全国で食べられているものだと思っていたそうで、東京に来て、スーパーにおきゅうとがないことにカルチャーショックを受けたそうw

先日、山形のアンテナショップに行ったら、おきゅうとによく似た「えご」という食品を発見。
聞くと、「えご」という海藻を煮溶かして固めたもので、ハレの日に食べられるものだとか。

福岡が生まれたおきゅうとが西へ西へと広まって、広島では「いぎす豆腐」、日本海側では「えご」となっていったのかしら?と、食のロマンにひたってしまいました(^o^)

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