介護ロボ導入支援で最大300万円給付。杉並区で推進

2016年4月5日ニュースと考察

常に人手不足に悩まされている介護業界。
介護ロボットの導入が人手不足を解決するきっかけになると、注目を集めています。

杉並区では特養など介護ロボットを導入する施設に最大300万円を経費として給付するそうです。

 東京都杉並区は2016年度から、高齢者の介護作業を補助する「介
護ロボット」を導入する施設への支援を始める。特別養護老人ホームな
どの高齢者施設が介護ロボを取り入れる際、経費について最大300万
円を給付する。

 高齢化社会の急速な進展に伴い、介護施設では慢性的な職員不足が続
く。介護ロボの導入促進で介護従事者の負担軽減につなげる。

 16年度は区内の4施設が支援対象で、効果をみて拡充を検討する。
介護ロボは介護を必要とする高齢者の移動や排せつ、入浴などを手伝う。
(中略)

 東京都によると、12年度の都内の介護職員は約15万人だった。高
齢化社会による介護需要の増加で25年度には約25万人の職員が必要
と見込まれる中で、3万6千人の人材不足が発生すると推計している。

(日本経済新聞2016年2月13日(土)39より抜粋)

人手不足を解消するといわれる介護ロボットですが、話題になっている割には、それほど広く普及していない状況にあります。

その原因の1つにあげられるのが「高価」であること。今回の杉並区の経済的な支援策は他の自治体にも影響をおよぼしていくのでしょうか。

ただ、経済面を支援しても、ロボットの導入と現場のニーズの間に大きな開きがあると宝の持ち腐れになってしまうかも。
人間のケアをするのにロボットを使うなんて・・・という考え方をする人もいるだろうし、介護の仕事は多岐に渡るし、分業化もカンタンではないはず。実際に使う人にとって新奇恐怖もあるかもしれません。

将来、人間がやっている多くの仕事はロボットに置き換わるといわれています。
どこまでが人、どこまでをロボットに任せるべきなのか。
その境界線は色濃くなっていくはずなので、それがロボット機能の開発の精度に反映されていくのでしょう。

また、今月24日には政府がドローンによる貨物輸送実験を徳島県那賀町鷲敷地で実施します。このドローンを用いる無人運搬分野も介護ロボット同様、注目の事業。

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